
-「I am a father」「Thank you」をもとに、『キャッチボール』『君と歩いた道』という2つの短編映画が完成しました。本人としては、曲を作ったときのイメージに近いものができあがった感じですか。
浜田 いえ、橋本監督が書かれた脚本を読んでうれしく驚いた感じです。どちらも最初はビデオクリップを作る予定で、楽曲の4分半のなかにドラマをどう入れるかという発想でした。たとえば「I am a father」は、お父さんが会社で働いている。社員がひとり帰りふたり帰りして、最後までオフィスに残り、やがて電車に乗って家まで帰る。家の前までたどり着いて、子供や家族の姿の見える窓を見上げる、という短い物語をイメージしたんです。それが監督の手に渡ると、単身赴任で材木店で働いているお父さんのところに、息子たちが父の日にキャッチボールをするために会いに行くという発想になる。これはもうオレの発想にはまったくなかったので、うれしい驚きでした。
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「 Thank you 」をもとにした作品『君と歩いた道』は、1シーン1シーンが印象的な、とても寡黙な映画ですね。
浜田 全体のトーンも水色の感じで、水槽のなかに映像が映っているような。主人公のひとりである男の子が回想しているということなんだけど、それがすごく静かな感じで進んでいく。そして「このまま終わるのかな」と思わせておいて……。
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そのままでは終わらないという。
浜田
あの解放感がすごく好きですね。「 Thank you 」の曲に乗って色合いもスピードもタッチも、全部そこで解放される感じがすごく斬新な手法だと思いました。こういう映画って、今までなかったんじゃないかな。
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曲をもとに映画を作るという初めての試み。終えた感想はいかがですか。
浜田
ライブツアーでダイレクトにお客さんに歌が届いて、それがまた映像になって違うかたちで届けられる。すごく幸運でうれしいことだと思いますね。監督をはじめ俳優のみなさん、そして製作スタッフの方々に感謝しています。野球場のシーンのロケなどに立ち合ったんですが、コンサートスタッフも働きますけど、映画のスタッフもよく働くなあと思いましたね。スタッフのエネルギーやバイタリティに頭が下がる思いでした。
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この映画もツアーと同じように地方を回っていきます。
浜田
なにかものを作ると、それが種子のように植えられて、やがてそれがどんな木になり花になるのかわからないけど、すごく楽しみですよね。そしてこの企画のおかけで、長年友達としてつきあってきた時任くんといっしょにひとつの作品を作ることができて、すごく楽しかったしうれしかった。時任くんが、お子さんを育てるために仕事の数も減らし ?? てニュージーランドに行って家族といっしょに住んでいたというのを、オレはよく知ってたんですよ。本当に“父親”という感じなんですよね。役者としても人間としても。だから「 I am a father 」を映画にするなら、父親役は時任くんしか考えられなかったんです。でもとても有名な役者さんだし、音楽の映像作品に出てくれるかなと思って頼んだら「今、ムービースターでもロックスターでもない父親の役をやらせたら、俺の右に出る者はいませんよ、ははは」って返事をくれて(笑)。すごくうれしかったですね。でも彼もオレも、そのときは4分半くらいのビデオクリップを作るつもりだったんだけどね(笑)。それがあれよあれよという間に映画になって。彼もおもしろがって参加してくれていいものができて、すごくよかったなあと思います。